世界が止まったような時を過ごす間も、まるでそのことを知らないかのように、今年も新緑が鮮やかに森を彩る季節が巡ってきました。コロナに関して書かれたフランスの詩の中に次のような一説があります。
「人々は本を読み、家族と過ごし、外国語を学んだり、バルコニーで近所の人と音楽を共有しはじめた。それは、"連帯"やこれまで持っていなかった„価値観"を生むために学んだ新しい表現の方法だった。」
悪いことばかりに目が行きがちなコロナですが、何気ない普段の暮らし、近くにいる人々との小さな生活がいかに重要かに気づけたことは、これからの時代の生き方においてとても大切な学びになったと思います。
禅語にも「安閑無事(あんかんぶじ)」という言葉がありますが、平凡でつまらないと感じる日にこそ価値があるという意味です。当たり前にそこにあるとなかなか気づきませんが、いざなくなってみるとその有難みが身に染みることはよくあります。平凡な日々も一日一日大切に生きていきたいと思います。
社会福祉法人 ふるさと
理事長 北 島 淳 朗
ふるさとだよりvol.178 記事一覧へ