明けましておめでとうございます。謹んで新年のお慶びを申し上げます。
仏典「報恩経」にある「世間求利、莫先耕田者、種一万倍(世間利を求むるは、田を耕す者より先なりはなし、一を種えて万倍す)」を転じて「一粒万倍」という言葉があります。今は吉日の例えとして使われることが多いようですが、本来は一粒の種を丁寧に育てることで、その種から生まれた実から、さらに多くの種を得ることができ、その繰り返しで、大きな実を収穫することができるという教えです。まさに、人生を表す言葉です。
多くの稲を実らせようとしても、始まりは一粒の籾種です。種を播き、水や肥料を与え、成長を見守って初めて収穫の喜びを感じることができます。年末の報道を独占したあの大谷選手の偉業も、始まりはあいさつやゴミ拾い、一振りの素振りからです。その一つ一つの限りない繰り返しが偉大な記録や何より人として尊敬すべき人物をつくり上げたのでしょう。
一粒万倍、本年も一粒の力を信じて福祉の里づくりに微力ながら尽力いたします。
社会福祉法人 ふるさと
理事長 北 島 淳 朗