700万年前、アフリカに誕生した人類が400万年をかけて、ユーラシア大陸を通り、アメリカ大陸にまで拡散していった約5万3千キロの道のりのことを「グレートジャーニー」と呼ばれています。その途方もなく果てしない行程を10年という歳月をかけ、人力のみで踏破した日本人が、医師で、探検家の関野吉晴さんです。
関野さんの旅の中でも特に印象深いのが、最難関といわれるベーリング海峡横断のエピソード。氷が張るのを待って徒歩で渡ろうとしたり、帆船を造ったりと、何度も挑戦しては失敗の繰り返しだったそうです。ついにはシーカヤックで挑み、ようやく横断に成功。初めての挑戦から4か月が経っていました。グレートジャーニーの成功は、そうした数えきれないほどの失敗の上に成り立っていると語られています。
今の日本では、成果を急ぐあまり失敗を許せない社会になっているのかもしれません。しかし、この春入職された7人の新任職員の皆さんには、失敗を恐れず、志を高く持ち、何事にも果敢に挑戦して未来を拓いていってもらいたいものです。
社会福祉法人 ふるさと
理事長 北 島 淳 朗